お通じの時、腹痛があり軟便の状態が続いています。子宝にも恵まれません。
「ネットブログ健康相談会-4」
せんねん灸お灸ルーム鍼灸師による「ネットブログ健康相談会」を開催しています。
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「せんねん灸セルフケアの森 事務局ブログ 森からの便り」を通じ、お寄せいただきました症状に対するツボのご案内をしてまいります。
せんねん灸で心身ともにリラックスしていただき、症状の緩和、運動不足やストレスの緩和にお役立ていただければ幸いです。
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(ご相談)
お通じがやや軟便の状態が続いているので改善したいです。腹痛をともない、未消化のものが混じることもあります。胃もたれや食欲不振はありません。
頭痛や立ちくらみ、生理痛の症状緩和のため4ヶ月程前から「当帰芍薬散」が処方され、服用しています。頭痛等の症状は落ち着いてきましたが、1ヶ月程前から軟便になりました。漢方薬を調整してもらって様子をみています。
お薬は漢方薬の他に緑内障、ドライアイの点眼薬です。
月経周期は遅れがちで生理痛があります。子宮内膜症があり子宝に恵まれず、出産経験はありません。
お灸は三陰交にすえていますが、他に自分でできることがあれば教えてください。
30歳代・女性
(アドバイス)
「緑内障」「ドライアイ」眼の病気がありますね
「緑内障(りょくないしょう)」は眼球のかたちを保つための圧力「眼圧(がんあつ)」が高くなりすぎて、視覚情報を受け取る「視神経(ししんけい)」が圧迫され、障害される病気です。
視力低下や、見えるものが欠けてぼんやりするなど、見え方の異常が起こるまで「緑内障」に気づかないことが多く、「緑内障」にかかっていても約9割の人は気づかないまま生活を送っていると言われています。
ただし、今「緑内障」にかかっている人の約7割は眼圧は正常にも関わらず、視神経が障害される「正常眼圧緑内障(せいじょうがんあつりょくないしょう)」です。
視神経が過敏にこわれてしまうタイプです。
「ドライアイ」は「目が疲れやすい」「目がショボショボする」「目が乾く」「目がゴロゴロする」「ものがかすんで見える」といった症状があります。
「涙の量が不足する」「涙の質のバランスが崩れる」といった状態が続いて起こる「涙の病気」です。
・睡眠時間が短くなり目を使う時間が長くなる。
・パソコン、スマートフォン、テレビなどディスプレイを見る時間が長い。
・コンタクトレンズの装着。
・エアコンの使用。
などが原因としてあげられます。
「緑内障」「ドライアイ」ともに、
・目の栄養が不足している
・目がむくみ、組織がもろい、こわれやすい
・刺激に対して過敏になり炎症が起きやすい
傾向が見られます。
「頭痛」「立ちくらみ」もあるようです。
東洋医学的な体質の見方として「冷えのぼせ」があるのでは?と考えます。
「子宮内膜症」をともなう生理痛ですね
生理痛は「月経困難症」とも言われ、月経のたびに下腹部の痛み、腰痛、吐き気、頭痛、下痢、イライラなどの症状が出ます。
「月経困難症」は、生理出血が始まってから、子宮や子宮周囲の異常で起こります。
ご相談者の生理痛は「子宮内膜症」が原因でしょう。
「子宮内膜症」とは?
子宮の内側をおおっている「子宮内膜」は血管が豊富で、月経周期とともに厚くなり妊娠(着床)に備えます。妊娠(着床)しないとはがれ落ちて生理出血となってカラダの外へ排出されます。
本来カラダの外へ排出されるべき子宮内膜が卵管を逆流して
・腹膜(ふくまく):内蔵の表面の膜
・卵巣(らんそう)
・子宮と直腸とのあいだ
に付着して炎症を起こして痛みの原因となります。
卵巣に付着してできるのが「卵巣チョコレート嚢胞(らんそうちょこれーとのうほう)」または「卵巣膿腫(らんそうのうしゅ)」と言われるものです。
「月経困難症」で生理痛を起こすものは「卵巣」「子宮と直腸とのあいだ」に付着した場合で、進行するとまわりの組織と癒着してさらに痛みが強くなります。
東洋医学的な体質の見方として
・本来収まっているべきところに保持しておく力が弱い。
→粘膜、血管などの組織がもろく、分泌液や血液が漏れ出てしまう。
傾向があるのでは?と考えます。
「緑内障」「ドライアイ」と生理痛は関係があります
東洋医学では、目を使いすぎると月経に何らかのトラブル起きやすくなる経験にもとづいて、目と子宮とは密接な関係があると考えています。
婦人科の病気の改善を目的にご来室された患者さまであれば、生活習慣をおたずねして、
・睡眠時間が短くなり目を使う時間が長い。
・パソコン、スマートフォン、テレビなどディスプレイを見る時間が長い。
・コンタクトレンズを装着している。
など、目へのストレスがある場合は、できるだけ目を休めていただくようお伝えしています。
目を休める最善の方法は睡眠をとることです。十分な睡眠をとることで、目の具合が良くなるだけでなく、婦人科の病気も楽になることがよく見られるのはこのためです。
「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」を服用されていますね
「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」の服用をすすめられる患者さまの特徴は・・・
・体質、体力:どちらかというと弱い〜虚弱
・体格:標準〜やせ型
・冷え症、おもに手足の冷え。カラダが冷えると体調が悪くなる。
・貧血ぎみ、頭痛、肩こり、めまい、生理痛がある。
・皮膚や筋肉を押してみるとやわらかい。引きしまり、弾力がない感じ。
・むくみやすい。
「お通じがやや軟便」を改善したい
症状改善のために漢方薬を服用され、3ヶ月経過したところで「お通じがやや軟便」になられたとのこと。
「緑内障」」「ドライアイ」「子宮内膜症」「頭痛」「立ちくらみ」と「当帰芍薬散」による「お通じがやや軟便」を重ね合わせると、お灸による治療の方針が見えてきます。
・腸の働きを高め、栄養と水分の消化吸収を高める。
・静脈の流れをよくする。
・むくみを改善する。
・皮膚、粘膜、筋肉に適度な引きしまりと弾力をもたせる。
・カラダを温め冷えを改善する。
「腸の働きを高め、栄養と水分の消化吸収を高める」ツボ
「大都(だいと)」
足の親指を足裏へ折り曲げてできるシワの親指側です。
「太白(たいはく)」
足の親指を足裏へ折り曲げてできるシワの親指側です。
消化機能を高め、十分な栄養を吸収し、丈夫なカラダを作ります。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=OFYa1_NzPjA
「梁丘(りょうきゅう)」
膝のお皿の外側の角から指幅3本上がったところです。
消化機能を高める代表的なツボです。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=Mplv2Vl5kow
「静脈の流れをよくし、生理痛をやわらげる」ツボ
「蠡溝(れいこう)」
三陰交に薬指をおき、指幅3本そろえて人差し指が触れている高さで、向こうずねでを押して凹み、痛みを感じるところです。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=DeqO4Xg4yW8
「血海(けっかい)」
膝のお皿の内側の角から指幅3本上がったところです。
静脈の流れを良くして、子宮や子宮周辺の炎症をしずめ、癒着をゆるめます。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=ZDTrmP0QqVg
「皮膚、粘膜、筋肉に適度な引きしまりと弾力をもたせる」ツボ
「漏谷(ろうこく)」
三陰交から指幅4本上にあります。
皮膚、粘膜、筋肉、血管などの組織を丈夫にして「漏れ出る」体質を改善します。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=gEJdYRGwByo&feature=youtu.be
「カラダを温め、冷えむくみを改善する」ツボ
「太渓(たいけい)」
内くるぶしとアキレス腱のあいだのくぼみで、動脈の拍動を感じるところです。
カラダ全体を温め、水のめぐりを良くして「冷えむくみ」を改善します。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=WCQo56pzPuU&feature=youtu.be
「中封(ちゅうほう)」
内くるぶし前のくぼみです。くぼみを押して痛みを感じるところです。
下半身の冷えと頭痛、首、肩こり。いわゆる「冷えのぼせ」を改善します。
「緑内障」「ドライアイ」のツボ
「臀臑(ひじゅ)」
二の腕の三角筋の前縁にあります。三角筋のヘリを少しずつ移動しながら押して行くと、とくに強い痛みを感じるところです。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=qJ5oWMzlpdU&feature=emb_logo