帯状疱疹になりました。神経の痛みや麻痺が出た場合のツボがあれば教えてください。
「ネットブログ健康相談会-9」
(ご相談)
帯状疱疹になりました。おでこのやや左側に赤いできものができ皮膚科に行きました。薬はアメナリーフ錠200、セレコックス錠100、フシジンレオ軟膏です。顔なので麻痺が出る可能性もあると言われました。
お灸で免疫を上げて早く治す方法や神経の痛みや麻痺が出た場合のツボがあれば教えてください。まだ薬を飲み始めたばかりですが、医師からはピーク前の段階だったので、そんなに酷くならないのではとは言われてます。
40歳代・女性
(アドバイス)
■帯状疱疹について
帯状疱疹は、主に子どもの頃に感染した「水ぼうそう」のウイルス「水痘帯状疱疹ウイルス(すいとうたいじょうほうしん)」が、大人になって再び活動的になり、知覚神経を伝わって皮膚に症状があらわる病気です。
①皮膚がピリピリしたかゆみのような痛みを感じる。
②痛みが5~6日続き、赤みが出てくる。
③赤みから水ぶくれとなり、痛みも強くなる。
①~③の経過をたどり、さらに悪化すると、神経痛が残ります。
■なぜ再び、ウイルスが活発、活動的になるの?
子どもの頃にかかった「水ぼうそう」は、免疫機能のはたらきによって治ります。
「水ぼうそう」が治ると、ウイルスをやっつけてくれた免疫細胞のほとんどはなくなってしまいますが、一部、免疫記憶細胞(メモリーT細胞)となり、リンパ節などで ウイルスの監視活動を続けます。
「水ぼうそう」のウイルスは症状が治まっても、知覚神経の神経節に潜んで抑えられていますので、免疫記憶細胞(メモリーT細胞)の監視活動中は再び活発になることはありません。
しかし、「水ぼうそう」が治ってから約20年も経つと免疫記憶細胞(メモリーT細胞)が減少してしまうため、「水ぼうそう」のウイルスが活動しやすい環境になってしまうのです。
帯状疱疹は、20~30 歳代、50~60歳代でよく起こりますが、ちょうど免疫記憶細胞(メモリーT細胞)が減少する時期と重なります。
また、身体的、精神的ストレスによって、免疫のはたらきが低下すると、さらにウイルスの活動抑制がゆるみ、帯状疱疹が発症してしまうと考えられています。
■薬以外に「手立て」はないの?
体力の低下によって免疫機能が低下することがわかっています。
免疫機能は、カラダの中に入ってきた比較的大きな病原体を食べてしまう食細胞(マクロファージ、好中球)や樹状細胞、血液や細胞の中まで入り込める小さな病原体をやっつけてくれるリンパ球(T細胞、B細胞)など、たくさんの細胞が協力、連携して成り立っています。
全身で活躍する免疫細胞の60%以上は「腸」に集まってはたらいているので「腸管免疫」と言われています。
「腸管免疫」がその機能を発揮するためには腸内細菌との連携が欠かせません。
腸の活動、働きの低下
→免疫機能の低下
→「水ぼうそう」ウイルスの活発化
→帯状疱疹の発症
つまり、腸の活動、はたらきを高め、促すことが帯状疱疹の発症を防ぐことにつながります。
■腸の働きを高め、促すツボへお灸を・・・ツボのご紹介
「 合谷(ごうこく)」
親指と人さし指の骨がまじわったところから、やや人さし指よりのへこみが合谷です。
顔面の症状、痛みを緩和する代表的なツボです。
「 曲池(きょくち)」
手のひらを上にしてヒジを曲げ、内側にできた横じわの上で、親指側の先端です。
皮膚にあらわれる症状を緩和するツボです。
「 中渚(ちゅうしょ)」
手を軽くにぎった時、小指とくすり指の山の間のくぼみです。
顔を支配する知覚神経を圧迫する耳のまわりのむくみを緩和するツボです。
「足三里(あしさんり)」
ひざのお皿のすぐ下、外側のくぼみに人さし指をおき、指幅4本そろえて小指があたっているところが足三里です。
顔のむくみ、痛みを緩和するツボです。
「太渓(たいけい)」
内くるぶしとアキレス腱のあいだのくぼみにあります。
帯状疱疹の発症は全身のむくみをともないます。カラダのむくみを緩和するツボです。
「大都(だいと)」
足の親指を足裏へ折り曲げてできるシワの親指側です。
「太白(たいはく)」
足の親指を足裏へ折り曲げてできるシワの親指側です。
「腸」のはたらきを促し、高めるツボです。カラダのむくみを緩和するツボです。
■すでに帯状疱疹後神経痛で困っていらっしゃる方へ
発症から3ヶ月以上経っても痛みが続く、場合によっては数年にわたって生活に支障が出るほどの痛みを抱えながら苦しんでいらっしゃる方がいらっしゃいます。
まず、今回ご紹介させていただいたツボへの継続的なお灸をおすすめいたします。
帯状疱疹後神経痛は鍼灸治療の適応症です。
鍼灸治療を検討される場合、鍼灸院へお問い合わせの上、帯状疱疹後神経痛の治療経験、実績があるかを確認してください。