腰から下の冷感。お尻がスースーして冷える感じがあります。
「ネットブログ健康相談会-2」
せんねん灸お灸ルーム鍼灸師による「ネットブログ健康相談会」を開催しています。
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せんねん灸で心身ともにリラックスしていただき、症状の緩和、運動不足やストレスの緩和にお役立ていただければ幸いです。
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(ご相談)
腰から下に冷感があります。お尻がスースーして冷える感じもします。
肩まわりに痛みがあり、緊張性頭痛があります。
全身のコリを感じています。とくに首、肩、腰のコリです。
漢方薬「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」に生姜(しょうが)、竜骨(りゅうこつ)、牡蠣(ぼれい)を加えた煎じ薬、クレストールを服用中です。
50歳代・男性
(アドバイス)
脂質異常症について
現在、服用されていらっしゃるクレストールは脂質異常症のお薬です。
脂質異常症とは、血液中のLDLコレステロール、中性脂肪が多い、または、HDLコレステロールが少ない状態です。
※LDLコレステロール140mg/dl以上、中性脂肪(トリグリセライド)150mg/dl以上、HDL40mg/dl未満。1つでも当てはまると脂質異常症と診断される。
カラダ全体のコレステロールの量は、肝臓で作られる量、食事として取り入れ吸収される量、細胞の膜やホルモン、胆汁などカラダの中で利用される量、カラダの外へ排出される量、これらの量のバランスが保たれている状態が正常です。
正常であると、血液中のLDLコレステロールが増えた場合、肝臓で作るLDLコレステロールの量を減らす調節機能がはたらくのですが、調節機能がはたらかない状態では肝臓で一方的にLDLコレステロールが作り続けられLDLコレステロールが増えすぎてしまいます。
この仕組みは血糖値の調節機能と同じです。
脂質異常症=血糖値が高めという患者様も多く、広く言えば消化器の機能バランスがくずれた状態です。
東洋医学の「肝臓のはたらき」
東洋医学でとらえる内臓とは、現代医学と重なる見方の他に、カラダとココロの関係も含め、カラダ全体の中でどのようなはたらきをしているかまで見ていきます。
コレステロールの量を調整している肝臓を東洋医学で見ると、「必要なところに、必要なものを、必要な量だけ届ける」司令塔としてのはたらきがあります。
飲食で吸収して栄養となる糖や脂肪。カラダのさまざまな活動を促すホルモン。呼吸で取り入れる酸素などです。つまり、肝臓のはたらきによって、糖、脂肪、ホルモン、酸素は血液に含まれ、カラダの「必要なところに、必要なものを、必要な量だけ届ける」のです。
「太衝(たいしょう)」
足のこうで、第1指(親指)と第2指の骨が交わるところにある、くぼみの中です。
肝臓のはたらきをととのえる代表的なツボです。下半身の冷えと頭痛、目の疲れ、首、肩こりに。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=W9-cXscbi2w&feature=youtu.be
「足三里(あしさんり)」
ひざのお皿のすぐ下、外側のくぼみに人さし指をおき、指幅4本そろえて小指があたっているところが足三里です。
消化機能を高める代表的なツボです。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=cXWKuuNd8Hw&feature=emb_logo
「梁丘(りょうきゅう)」
膝のお皿の外側の角から指幅3本上がったところです。
消化機能を高める代表的なツボです。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=Mplv2Vl5kow
肝臓と「冷え症」の関係
カラダでつくられる「熱」も同じです。「肝臓のはたらき」が正常であれば、熱はカラダ全体に運ばれ、手も足も温かい状態に保たれますが、「肝臓のはたらき」が低下すると、末端まで熱がめぐらず、手足が冷える状態になってしまいます。
ご相談者は漢方薬「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」を服用中です。これは末梢の冷え、つまり皮膚をめぐる毛細血管の血流を改善して温める漢方薬です。おもに手と腰から足にかけての冷えを改善します。
「生姜」を加えてさらにカラダを温め、「竜骨」「牡蠣」を加えることによって、些細なことが気になって落ち着かない神経過敏、イライラなど精神的な興奮状態をしずめたり、精神不安、動悸、不眠を改善したりします。
「太白(たいはく)」
足の親指を足裏へ折り曲げてできるシワのかかと寄りです。
脂質の消化吸収が改善します。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=OFYa1_NzPjA
「太渓(たいけい)」
内くるぶしとアキレス腱のあいだのくぼみで、動脈の拍動を感じるところです。
腰から足にかけて温まります。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=WCQo56pzPuU&feature=youtu.be
「中封(ちゅうほう)」
内くるぶし前のくぼみです。くぼみを押して痛みを感じるところです。
下半身の冷えと頭痛、首、肩こり。いわゆる「冷えのぼせ」に。
「漏谷(ろうこく)」
三陰交から指幅4本上にあります。
低下している消化機能が改善します。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=gEJdYRGwByo&feature=youtu.be
「地機(ちき)」
陰陵泉からから指幅4本下にあります。
低下している消化機能が改善します。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=Hpw0OV_fmc8
脂質異常症と「動脈硬化」について
脂質異常症によって起こるのが動脈硬化です。動脈硬化によって血液の流れに滞りが生じます。動脈硬化によって、血圧が高くなり心臓や腎臓のはたらきに負担が生じます。いずれも「冷え症」を促す要因です。
他に動脈硬化を引き起こす要因として、喫煙、高血糖、睡眠時無呼吸症候群、加齢(更年期障害)などがあります。いずれも「冷え症」の原因となります。
男性は動脈硬化が起こるリスクが高い傾向があります。女性は女性ホルモンによってLDLコレステロール血が上がらないよう調整されていますが、更年期に閉経するとLDLコレステロール値が上がり動脈硬化が起こるリスクが高くなります。
基本は生活習慣を見直すこと
脂質異常症とともに、肝臓に脂肪がたまると「脂肪肝(脂肪肝)」へ進行することもあります。
男性の首、肩こりのよくある原因として多いのが、飲酒によるものです。ビールを好んで飲まれる方はお腹に冷えが蓄積して筋肉がかたくなり、仕事による身体的負担(目の疲れ、くずれた姿勢の継続、繰り返しなど)も重なって、とくに首、肩こりを強く感じている方が多くいらっしゃいます。
「腹哀(ふくあい)」
乳頭のラインとおへそから指幅4本上を通るラインとが交わるポイントです。
肝臓のはたらきが改善します。
「中脘(ちゅうかん)」
おへそに小指をあてて、親指までの指幅5本。親指があたっているところを目安にして指でやさしくなでるとへこみがあります。おへそとみぞおちを結んだラインのちょうど真ん中です。
お腹に蓄積した冷えが温まります。呼吸が深くなり、首、肩のコリ、痛みが緩和します。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=dNqxG972f4g&feature=emb_logo
喫煙によっても動脈硬化が起こり、筋肉がかたくなります。
「孔最(こうさい)」
ヒジの曲がりジワの親指側と手首をむすんだ線のヒジから1/3下がったところが孔最です。
呼吸が浅い、または喫煙によってうっ滞している静脈の流れが改善します。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=qAK3wbxkDGQo
いずれも、食事、運動、睡眠といった生活習慣の見直しが最も大切です。
生活習慣の見直しによる体質改善、体調改善のために、あわせてお灸によるセルフケアを始めてください。
「冷え症」腰のツボ
「腎兪(じんゆ)」「命門(めいもん)」
おへそと同じ高さの背骨が命門。命門から左右へずらし、親指で指圧したときに最も痛気持ちよく感じるポントが「腎兪」です。
カラダが熱をつくる力を高めて「冷え症」を改善します。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=BaKungSXuDg
「腰陽関(こしようかん)」
左右の腸骨上端のラインと背骨とが交わったところです。
頭痛、首、肩が凝り、下半身が冷える場合に。
(動画を見て探す)https://www.youtube.com/watch?v=fPiJMrcwWmk&feature=emb_logo