金沢大学附属病院「がんサロンハーモニー」
桜色が景色をいろどる頃となりました。
春の訪れにお喜び申し上げます。
3月20日(水)金沢大学附属病院では「がんサロン ハーモニー」が開催されました。
「がんサロン ハーモニー」は、がん患者さんとそのご家族が集う場所として、毎月1回 開催されています。
月代わりでテーマが変わり、今月は「がん治療を支える漢方医学」と題し、がん患者さんの日頃のケアに鍼灸を含めた漢方医学をご活用いただくための講座とミニレクチャ—でした。
まず、金沢大学附属病院 漢方医学科 臨床教授・診療科長 小川恵子先生から、がん治療における漢方医学の有効性や『湯液(とうえき:漢方に用いられる煎じ薬のこと)』と『鍼灸(はりきゅう)』の併用による相乗効果についてお話があり、鍼灸の上手な使い方についてもレクチャーがありました。
つぎに、同病院 漢方医学科 鍼灸師 岩橋麻子先生から
「がん患者さんの食欲不振、倦怠感や痛みに対しツボを利用した安全なケアをお伝えできたら」と、お灸に適した場所として足三里(あしさんり)、中脘(ちゅうかん)のツボをご紹介してくださいました。
どちらも養生に欠かせないツボとして、普段から入院患者さんへの治療でよく使われるそうです。
参加者の皆さんで、病院内でも気軽にお灸ができる「火を使わないお灸(せんねん灸太陽)」を体験してくださいました。
当初30名前後のご参加を見込んでいたようですが、蓋を開けてみると45名の患者さんとご家族の皆さんがご参加。
終了後、岩橋先生は
「今回多くの方と触れ合う中、東洋医学に対する関心の高まりや、効果への期待を強く感じました。病院を通して鍼灸の力をご紹介できることは大変意義のある事でした。」 と心のこもったコメントを寄せてくださいました。
患者さんが心のよりどころとしていらっしゃる病院で、安心して鍼灸治療を受けられたり、今回のようにセルフケアのアドバイスを受けられることが、患者さんの気落ちをいかに楽にされていらしゃるかと思いますと、「ありがたい」のひと言に尽きます。
お灸を毎日の生活に取り入れていただくことで、体調不良が少しでも緩和されれば、病気による負担軽減につながりますね。
金沢大学附属病院での心温まる取り組みに感謝いたします。