ある患者さんが帰りにマツエク（まつ毛エクステンション）へ行くんですとおっしゃり、だから今日はメイクしてないとのこと。でも私が見る限り、片方の上瞼は特にアイシャドウが強く塗られているので、シャドウだけしてるのですかと聞くと、全然してないと。

よく見ると片方の上瞼が炎症を起こして、オレンジ色に染まっていたのです。びっくりして、その眼でマツエクに行くのは絶対止めてください！と言わせていただきました。ところが、片方のみがボロボロになっているため、知らないうちに長い爪の先で掻いたりしてしまい、腫れあがっているようなのです。

ボロボロになっている付け毛が良くないかもしれないので、取るだけに行ってきますということでした。ただ、取るのにもリムーバーが必要で、主成分は除光液と似たようなもの。肌にいいはずはありません。アイリストは現在、美容師国家資格が必要です。きちんと対応してくれることを期待します。

耳かきが大好きという方がいらっしゃいました。大好きなだけあって、家族の方の耳掃除もしていたのですが、際どいところまで行き過ぎて、最近は敬遠されがちとのこと。その方は自分で耳の中をのぞき込みながら耳かきをしたいと、ファイバースコープ付き耳かきを買うか買うまいか迷っておられました。

私は突発難聴で耳鼻科のお世話になった時、耳垢は自然に外に出るから、くれぐれも自分で掃除をしないように！と厳重に注意されてからは、我慢がまんと思っていましたが、やはり時折耳の奥がムズムズするので、鼓膜側に垢を押し込まぬように細めの綿棒で1～2回押さえつけています。

すると、大きな耳垢が取れる時があります。自然に外に出るというのは嘘！とも思ってしまいます。ましてや、ハチミツほどの粘りのある耳垢の方もいて、外耳道の汗腺が多い場合はそうなりやすく、その場合は分泌量も多いため外耳道入口部をクルッと拭き取る掃除を数日に一回はした方が良いそうです。

心が動かされるようなビデオをみると、脳の前頭前野という場所の血流が増加し、その10～30秒後に人は泣き始めるという報告があります。この前頭前野は共感や直感を担うところとされ、ここから脳幹に信号が伝わり、涙をいっぱい作って泣き声を出せなどの指令が飛ぶということです。

こうした情動でも涙は流れますが、現代の多くの人が頭脳労働で脳ばかりが疲れていて、でも逆に眠れないことも多いと思います。涙の中にはストレス時に分泌されるコルチゾールというホルモンも含まれていて、流すと過剰に溜まったストレス物質が排出されるため、体内の浄化にもつながるとされます。

そうしたストレスをリセットして疲労状態をスッキリさせる効果が、流涙にはあるとのこと。涙を流すとヒトの自律神経は交感神経から、リラックスや安静を促す副交感神経が優位な状態に切り替わり、流した後には脳内モルヒネとも呼ばれるエンドルフィンが増加して痛みや悲しみを和らげてくれます。

先日、月に一回ほどいらっしゃる患者さんが、治療室の階下の眼科に来ていたとのことでばったり会いました。眼を指さしいらっしゃるので、ものもらいですか？と聞いたら、眼科の先生はものもらいじゃなくて何かに感染したんだね！っていうのよ、とおっしゃいます。

ものもらい（麦粒腫と霰粒腫）はまぶたにある汗腺や皮脂腺に細菌が感染したり、分泌物が詰まって化膿する炎症のことを言うと思いますが、何かに感染したんだね！といわれると、何か未知の感染症にでもかかったような、不安な気分にさせられますよね。

通常は常在菌といってヒトが共に生きている細菌が、睡眠不足やストレスなどで体が弱り、免疫が落ちているような時に感染して炎症を起こします。この患者さんは何に感染したのかしら、と釈然としないまま眼科を後にされました。心配性な人にとってそうした心の持ちようがよほど身体に悪そうです。

先日みえた方が、この2年ほどクロレラを飲み続けて、ようやく中性脂肪やLDLコレステロールの値が、正常範囲に収まってきたのよ！と。とても律儀で、身体のケアに余念のないこの方は、できるだけ薬を服用せずに生きて行きたいとの信念で、続けていらしたのです。

血液検査で中性脂肪やコレステロールが高値だと、薬（スタチン系など）が処方され、飲みだす人も多いと思います。ただ、あるスタチン系の薬剤の添付文書には甲状腺機能低下症の患者さんは横紋筋融解症が現れやすいとの報告があるので注意喚起が必要と書いてあるそうです。

ところが、前述の方も以前は言われるまま、一度は処方されたそうですが薬を飲みだす前に、甲状腺ホルモンの話など一切されなかったとのこと。診断されていなくてもホルモン値が低い人はいるでしょうし、この横紋筋融解症は、急性腎不全まで引き起こす危険性もある疾患だという周知も必要かと思います。