「もぐさづくり」を学ぼう!
「よもぎ」の葉っぱを摘みに行ったけど、あまりに暑くてまいった〜。
みんなも「よもぎ」摘みに行けたかな?
帽子、飲み水の用意はもちろん、日中は避けて朝方、夕方にするなど、熱中症対策はしっかりとしましょうね。
今は新潟県で「もぐさ」がつくられているわけだけど、実際の「もぐさ」工場では、天日干しをした「よもぎ」を冬まで寝かせておくんだ。
夏は「もぐさ」の原料となる「よもぎ」を採取しておき、「もぐさ」づくりの本番となる冬に備えるんだ。
夏に摘みとった「よもぎ」はその年の冬に「もぐさ」にしてしまうの?
そうなんだ。日本では、夏に摘み取った「よもぎ」はその年の冬に「もぐさ」にするよ。
海外では「七年の病に三年の艾を求む」のように、「よもぎ」を採取したら数年間置いてから「もぐさ」をつくるようだね。
では、日本での「もぐさ」づくりをイラストにしてみたので見てみよう。
⒈ 摘み取り
夏(6月~7月)に「よもぎ」の摘み取りをするよ。
「よもぎ」は山野に広く植生しているけれど、生命力が強いため、陽の当たるところならどこでも生えているね。「よく萌え出る草」が「よもぎ」の語源とも言われているね。
⒉ 天日干し
摘んだ「よもぎ」を日光によく晒(さら)して干します。
3. 火力乾燥
冬になったら、陰干ししておいた「よもぎ」を火力乾燥させます。
「よもぎ」の葉を完全に乾燥させておかないと良質の「もぐさ」はできませんよ。
4. 粉砕
「よもぎ」が火力乾燥したら粉砕機にかけ「よもぎ」をよく砕きます。
5. 臼仕込み
砕かれた「よもぎ」は、荒びきの一番臼(うす)に仕込みます。
お肌から「もぐさ」の火を離してお灸をすえる「温灸用(おんきゅうよう)もぐさ」の場合だと、石臼で2回ほど石臼で挽きます。
お肌に直接「もぐさ」を置いてお灸をすえる「点灸用(てんきゅうよう)もぐさ」の場合だと、仕上げ臼まで3回ほど石臼で挽きます。
⒍ 分離・精選
円筒形の篩(ふるい)機で、不純物と言われる葉肉(ようにく)、葉脈(ようみゃく)などの葉っぱの緑色の部分と、葉っぱの裏側の綿毛(わたげ)とを分離させます。篩(ふるい)機を回転させ、その中に「よもぎ」を通すと、葉っぱの緑色の部分が編み目から脱落していきます。
さらに、綿毛(わたげ)を集めるためには、唐箕(とうみ)に仕込み、より細かい不純物を吹き飛ばして精選します。
A ⇒ B ⇒ C ⇒ D の順に、分離・精選の時間が長くなります。
分離・精選の時間が長くなればなるほど、葉っぱの緑色の部分が少なくなり、綿毛(わたげ)を含む割合が多くなります。Dの「もぐさ」は綿毛(わたげ)だけを集めた白さと明るさです。
それぞれ用途によって使い分けます。
A、Bはしょうが灸、にんにく灸などの温灸用(おんきゅうよう)もぐさ。
C、Dは皮膚へ直接お灸をすえる点灸用(てんきゅうよう)もぐさです。
わ〜、夏から冬にかけての作業で手間がかかるんだね。
日本では、1年以内に「もぐさ」づくりができるように「火力乾燥」を取り入れたり、分離作業の効率化のためにと「臼仕込み」を取り入れたりしたんだ。
また、皮膚へ直接お灸をすえる方法が主流だった日本では、できるだけ「もぐさ」が燃える熱を低くおさえるために、「よもぎ」の綿毛(わたげ)だけを集める道具として唐箕(とうみ)を使うようにもなったようだね。
工夫に工夫を重ねた知恵のたまものが「もぐさ」なんだね!