せんねん君のつぶやき もぐさのはなし~3話~
前回につづき
日本のモグサの歴史について・・・
灸療法がもっとも盛んになった江戸期、
伊吹山でつくられるモグサを「伊吹もぐさ」として江戸で盛んに宣伝し、
モグサのブランドとして全国へ知らしめていったのです。
近江の国(滋賀県)伊吹山から江戸はもちろん、全国各地へ発送されました。
モグサの消費が増え、「伊吹もぐさ」の生産が頭打ちになると
福井、石川、富山へと産地が広がっていき、
明治の初めの頃は富山が日本一の産地になっていきました。
その後、昭和初期には新潟県が主産地になり、
現在では国産モグサのほとんどが新潟県でつくられています。
ヨモギが野原に芽を吹き出しました。
モグサ製造で石臼を使うのは日本独自の製法です。
大量の高級モグサを効率よく生産することを追求して開発された
先人の知恵の賜物です。
今は昔。
伊吹山でモグサづくりが行なわれなくなり久しく経ちます。
モグサづくりの使命を終えた石臼が
工場の庭先に何十年と苔むし、凛と立っています。
せんねん君